0712

今朝見た夢について。

夢の中で、私はAKIRAのテツオのような力を持っていた。地球を飛び出して宇宙にもいけるし、木星にダイブすることもできた。でもおそらく、そのせいでたくさんの人を殺してしまった。私は研究施設のようなところに入れられ、特殊な防護マスクのようなものをつけて生活し始めた。周りの医師たちは幸いにも良い人たちで、私がたくさんの人を殺めたのに、とても親切にしてくれた。その医師の中にあの人もいたのかもしれない。

私はある日、普通の学校の普通の給食の時間に参加することになった。みんな私がたくさんの人を殺めたとは知らなかった。ただ1人、賢い子だけが気づいていて、体を硬くしていた。いつバレるかもわからないという恐怖とともに給食を食べた。

研究所に戻ると、背中の薄い、白いシャツを着た細い男の人が、私を軽く抱きしめてくれた。私は彼の薄い腹に顔を埋めた。周りには誰もいなかった。力の強い私を隔離している部屋の中で彼は私にただ寄り添ってくれていた。

「彼氏にみられたら、」

彼の言葉に、私は力が暴走して以来、連絡の来ない彼氏のことを初めて思い出した。もういいよ、と思ったけど言わなかった。

何年も経ち、私は彼と研究所を抜け出した。雪の降る冬の日だった。もう力を使う気はなかった。帽子をかぶってマフラーをつけて、ごちゃごちゃした雑貨屋さんの前に2人で立っていた。

「君のおかげだよ」

と彼が言った。私が何かしら力を使って工面したお金で私たちは一緒に逃げて暮らすつもりだった。私は何も言わずに少し笑った。

そこで目が覚めた。

 

夢の中の誰かに、顔も見えない誰かに恋をしてしまった。目覚めてからも、彼の薄い腹や背中に顔を押し付けた感覚は消えなかった。彼は私のスプートニクの恋人。また今夜、夢の中で会えたらいい。