0925

旅行に行ってきた。

 

私たちの関係にすっぱりした終わりはないのだ、と思う。あるとしたらフェードアウトだ。

 

温泉まで歩いたこととか、温泉の後のフルーツ牛乳とか、美味しくない居酒屋でご飯食べたこと、おみくじを引いたこと、ずっと手を繋いでたこと、おもちゃ屋さんで笑いながら話したこと、本屋さんで時間を潰したこと、面白い入浴剤を買ったこと、帰りの電車の中で半袖の私にシャツをかけてくれたこと、それら全部いつか思い出したくないことになるんだろうか。

いくら綺麗な出来事を並べても所詮、私たちの間にあるのは曖昧でいいとこ取りな、ずるい関係だけだ。

 

誰かに熱烈に愛されないのは、私が誰かを熱烈に愛していないからだ。愛ってなんなんだよ。

 

夏休みが終わりに近づいて、ぐっと寒くなって、この夏私を狂わせた、真っ黒な自己嫌悪に囚われるまいという想いがひとまず波のように引いていくのがわかる。そしてその代わりに押し寄せてきているのは空っぽの寂しさだ。ああ、どうしよう。